タバコについて:禁煙外来のすすめ
- 2024年9月19日
- むこ栄養だより
たばこが体に良くない…なんて何となくご存じの方も多いと思いますが、体にどう影響するのかお話ししたいと思います。
たばこ1本吸うと寿命が5分30秒縮むことが分かっています。
たばこの煙には5000種類以上の化学物質と70種類以上の発がん物質が含まれており、年間で約13万人の死亡に繋がっています。
最近ではニコチン以外の有害物質の取り込みを低減させた加熱式たばこ…といった電子たばこも流通していて、何となく体への影響も良くなったと思われる方も多いかもしれません。
ですが、依然とそれに見合う病気のリスクが減る保証はまだ出ていないのです。
また、紙たばこと併用している場合については有害物質の取り込み自体も減らない可能性が高く、病気の低減リスクもそのままである可能性が高いことが分かっています。
喫煙者はメタボリックシンドロームの発症リスクが非喫煙者に比べて優位に高く、脂質異常をきたし(LDL-C↑HDL-C↓)心筋梗塞や脳梗塞のリスクが増大すると言われています。また耐糖能異常も起こしやすく(インスリンの効きが不十分になる)糖尿病へのリスクも高くなってしまいます。もちろん肺へのダメージも高く、癌や脳卒中のリスクもあります。
加えてニコチン依存症になると幸福感が低くなり、大阪大学の研究ではその差を年間所得換算で200万円程度の差に相当すると報告されています。
一方で禁煙をするとなると、どのようなことが不安にあげられるのでしょうか?
体重増加が気になって禁煙に踏み切れないという声もよく耳にします。確かに8割の人で体重増加(2~3kg)が見られますが、多くの場合は一時的であり、体重コントロールを行うことで体重増加を抑制することができます。(禁煙治療薬、禁煙支援、治療アプリを使うなど)
つまり、禁煙外来で治療を行いながら禁煙すると比較的楽にやめられ、また確実にやめられることが示唆されています。また、吸い続けるよりはお金をかけずにやめられますね。
(12週間分の費用 ニコチンパッチ13090円(貼り薬)、バレニクリン19960円(飲み薬)VSタバコ代(1箱580円1日1箱)48720)
禁煙を確実なものにするには禁煙外来にてカウンセリングを受け、禁煙補助薬、治療アプリを併用することが勧められていますが、有酸素運動(+ヨガも)を取り入れることも望ましいです。
身体活動を増やすことでニコチンの離脱症状を抑える効果があるため、短期(3か月以内)取り組むことがお勧めです。また禁煙補助薬については飲み薬(医療用)、パッチ(医療用)、ガム(市販)の活用が効果的です。
喫煙は生活習慣と密接に繋がっているため、食生活の乱れを改善することで体重コントロールしながら禁煙も可能です。不安に感じられる方は禁煙外来でのご相談をお勧めします。