糖尿病と睡眠|むこきたクリニック|伊丹市野間の内科・糖尿病内科

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糖尿病と睡眠|むこきたクリニック|伊丹市野間の内科・糖尿病内科

糖尿病と睡眠

睡眠は心と身体を休息させ、疲労から回復させる働きがあります。快適な睡眠は充実した毎日のためにとても重要です。近年の研究から、不眠症と糖尿病との関連が明らかになってきました。不眠症のある人は糖尿病を13%程度もち、糖尿病患者さんの50%近くが不眠症をもっていました。また、睡眠不足を自覚している人ほどHbA1cが高いことも報告されています。さらに、以前ブログでお話しした糖尿病性神経障害があると、夜間のしびれや疼痛により睡眠が妨げられ、高血糖の影響による夜間頻尿が中途覚醒の原因になることもあります。

また、不眠や睡眠不足が糖尿病発症のリスクにもなることが分かってきました。例えば入眠困難がある場合、8年間の経過中における糖尿病発症が約3倍になったことが報告されています。

 睡眠が糖尿病と関連することについて、多くの研究がなされています。睡眠時間短縮がインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなること)を高め、血糖コントロール(耐糖能)が悪化します。また、睡眠不足は食欲抑制ホルモン(レプチン)を減少させ、食欲増進ホルモン(グレリン)を増加させ食欲亢進をもたらすことが分かってきました。すなわち、睡眠不足により食欲増進し肥満化により耐糖能がさらに悪化する可能性が示唆されるのです。また、この実験では十分な睡眠により耐糖能が回復することも示されています。

 糖尿病にみられる睡眠障害としては、こうした不眠症のほかに以前お話しした睡眠時無呼吸症候群(SAS)、レストレスレッグス症候群(restless legs syndromeRLS)などがあります。RLSむずむず脚症候群とも呼ばれ、主に下肢に不快な症状を感じる病気です。夜眠ろうと布団に入ったときや、電車や自家用車、あるいは映画館などでじっと座っているときに脚の内側から不快感が起こり、脚を動かすと和らぐ・・・といった特徴があります。日本人の有病率は2~4%程度ですが、糖尿病患者さんでは1727%と高くなります。症状は夕方から夜間に増悪し、むずむずする、熱い、深部がかゆい、痛い、しびれなど多彩です。こうした下肢の異常感覚のため、入眠困難や中途覚醒など、難治性の不眠や日中の眠気の原因となります。RLSの原因としては、糖尿病性神経障害のほかに、鉄欠乏、腎機能障害、脳卒中などが考えられます。また、カフェイン、飲酒、タバコは症状を増悪させるため、避ける必要があります。

厚生労働省は「健康づくりのための睡眠ガイド2023」として、以下の表に示す「睡眠の推奨事項」を提案しています。当院では糖尿病患者さんだけでなく、生活習慣病の治療のため通院されている多くの患者さんへ向けて、食生活や運動習慣、睡眠環境の改善などのご提案を医師、看護師、管理栄養士がチームとなって進めています。不眠に悩む方はぜひご相談ください。

 ※健康づくりのための睡眠ガイド2023より「睡眠の推奨事項」