インフルエンザと糖尿病!?|むこきたクリニック|伊丹市野間の内科・糖尿病内科

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インフルエンザと糖尿病!?|むこきたクリニック|伊丹市野間の内科・糖尿病内科

インフルエンザと糖尿病!?

これからの季節は感染症、特にインフルエンザに注意が必要です。コロナ禍となった2019年の冬以降は手洗いや手指消毒、マスク着用などの感染対策によりインフルエンザの感染者数は極めて少なく推移していましたが、2023年の冬は数年ぶりに大流行を認め、今年の春先まで多くのインフルエンザ患者さんの治療を行いました。

コロナ禍以前は、インフルエンザはほぼ毎冬流行し日本では毎年約1千万人、およそ10人に1人が感染、約1万人の死亡者を出すという油断できない感染症です。軽症で回復する場合もありますが、持病がない方でも肺炎や脳症などを併発して重症化してしまう場合もあります。特に(表1)に当てはまる患者さんの場合は重症化しやすく、入院率、死亡率も上昇することが知られているため、厳重な警戒が必要です。

(表1)インフルエンザ重症化のハイリスク群
高齢者(65歳以上)
乳幼児
妊婦
肥満
呼吸器疾患(喘息、COPDなど)
心疾患(心不全、心房細動、弁膜症など)
腎疾患(慢性腎不全など)
糖尿病
免疫疾患(ステロイド長期内服など)

 

なかでも糖尿病患者さんの場合は非糖尿病患者さんに比べて重症化のリスクが数倍上昇することが知られております。糖尿病患者さんの感染症が重症化しやすい原因は、①高血糖が免疫機能を低下させる、②血管障害により栄養、酸素、薬剤が届きにくい、③神経障害により痛みなどの感覚が鈍化し、発症に気づかない、といったことがあります。

感染症対策のためには何より予防が重要であり、手洗い、消毒、マスク着用、さらに栄養と睡眠の確保による身体力の保持を徹底するとともに、ワクチン接種が有効とされています。インフルエンザワクチンは発症を100%防ぐわけではありません(60%程度減少させる効果はあります)が、発症した場合でも重症肺炎、心筋梗塞や脳卒中などによる死亡のリスクを低下させる効果があり、これがインフルエンザワクチンの最大の効果といえます。また、各自治体では以下のような助成制度があります。(伊丹市の場合を添付)

伊丹市に住民登録があり、接種を希望する次の人

1.接種当日に満65歳以上

2.接種当日に満6064歳で、身体障害者手帳1級相当の心臓、じん臓、呼吸器の障害かヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害がある(身体障害者手帳の提示、または診断書の提出が必要です)

※上記の条件を満たす場合、自己負担金は以下の通り。

季節性インフルエンザ  1,500

新型コロナワクチン 3,260

さらに重症化する状況として、インフルエンザや新型コロナウイルス感染後に細菌性肺炎を発症するパターンがしばしばあります。細菌性肺炎のなかで最頻かつ重症化しやすいものが「肺炎球菌」による肺炎です。ただし肺炎球菌はワクチンがあり、伊丹市の場合は以下の条件を満たせば公費助成により自己負担は4000円で接種可能です。

(伊丹市の場合)尼崎市も概ね同様の条件です。

伊丹市に住民登録があり、

今までに23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)の予防接種(任意接種も含む)を受けたことのない下記の12に該当し、接種を希望する人

1.65歳の誕生日の前日~66歳の誕生日の前日までの人

2.60歳~64歳で身体障害者手帳1級相当の心臓、じん臓、呼吸器の障害またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害のある人(身体障害者手帳か診断書持参)

また基本的な感染対策として、マスク着用を推奨します。マスクの有無による飛沫の飛び方を調査した東京大学の研究によれば、患者と浴びる側の両方がマスクをつけなかった場合の浴びるウイルス量を100%とした場合、浴びる側のみマスクをつけると50%減、患者側のみマスクをつけると60%減、双方がマスクをつけると70%となることが報告されました。当院でも来院時は症状の有無にかかわらずマスク着用をお願いしておりますので、ご協力をお願いいたします。

秋から冬にかけてはインフルエンザだけでなく新型コロナも流行する時期です。糖尿病患者さんでは、コロナも罹患した場合の重症化リスクは高まります。インフルエンザとコロナワクチンは同時接種も可能で、同時接種してもそれぞれの有効性は損なわれないと報告されています。当院では101日からインフルエンザ、コロナワクチンの接種を開始いたします。予約もできますのでお気軽にお問い合わせください。