特定健診のススメ
- 2024年4月5日
- むこきただより
特定健診は、40歳以上75歳未満の医療保険に加入されている方が職場や地域の医療機関で受けることができます。勤務先で健診を受ける場合は、健診項目に特定健診の項目が含まれています。それ以外の方については、加入している医療保険から受診券が届きますので、指定の医療機関で受けることができます。受診券については、加入している医療保険にご確認ください。
検査項目には、基本的な健診の項目と詳細な健診の項目があります。
基本的な健診の項目
・問診(服薬歴、喫煙歴等)
・診察
・身体測定(身長、体重、BMI、腹囲)
・血圧測定
・血液検査(脂質、血糖、肝機能)
・尿検査(尿糖、尿蛋白)
詳細な健診の項目(医師が必要と認めた場合)
・心電図検査
・貧血検査
・血清クレアチニン検査
・眼底検査
基本的な健診の項目について
・問診(服薬歴、喫煙歴等)と診察
現在の持病や飲んでいる薬などの情報を問診票に記載していただきます。その情報をもとに医師が診察し、適切な健康管理が行われているか確認します。
・身体測定(身長、体重、BMI、腹囲)
体重の変化を知ることで病気のリスクを判断します。BMIとは、Body Mass Indexの略で、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数です。疾病率が最も少ない理想的なBMI値は「22」とされています。腹囲はメタボリックシンドロームの診断基準に含まれており、内臓脂肪型肥満かどうかの指標になります。
・血圧測定
高血圧症の定義は、くり返し測っても血圧が正常より高い場合をいいます。最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上で高血圧と診断されます。高血圧症になると、脳出血や脳梗塞、くも膜下出血などの脳血管疾患、狭心症や心筋梗塞などの心疾患のリスクが高まります。また、高血圧が長期化すると腎臓障害も併発しやすくなります。
・血液検査
脂質
中性脂肪:中性脂肪は食べ過ぎや運動不足が原因で増加し動脈硬化を起こします。
HDL-コレステロール:善玉コレステロールとも呼ばれ、この量が少ないと血管にコレステロールがたまり動脈硬化が進みます。
LDL-コレステロール:悪玉コレステロールとも呼ばれ、この量が多いと血管内壁にコレステロールが蓄積して動脈硬化が進みます。
血糖
空腹時血糖:膵臓から分泌されるホルモンである「インスリン」の働きが悪かったり分泌量が少なかったりすると血糖値が高い状態が続き、これを糖尿病といいます。
ヘモグロビンA1c:過去1か月から2か月間の血糖の平均的な状態を反映する検査項目です。
肝機能
AST:ASTが高値の場合、心臓や筋肉などの臓器に障害の疑いがあります。
ALT:ALTが高値の場合、肝臓障害の可能性があります。
γ-GTP:肝臓や胆道に障害や過剰な飲酒で増加します。
・尿検査(尿糖、尿蛋白)
尿糖:通常は(-)です。糖尿病発見のきっかけになります。
尿蛋白:通常は(-)です。腎臓病発見のきっかけになります。
詳細な健診の項目について
・心電図検査
心臓の筋肉が収縮する時に伝わる電気的変化を波形で記録し、不整脈や心筋の異常の有無を確認します。
・貧血検査
赤血球:肺で酸素を受け取り全身に運ぶ働きをします。
ヘモグロビン:赤血球中に含まれ酸素を運搬します。
ヘマトクリット:血液全体に占める赤血球の割合を調べます。
・血清クレアチニン検査
血液中のクレアチニンは食事や尿量の影響を受けにくく、腎機能に異常があると高値を示します。
特定健診を受けた後、医療機関から健診結果とそれを踏まえた生活習慣の改善に関する情報が届きます。そこで、生活習慣病のリスクが高いと判定された場合、加入する医療保険から特定保健指導の実施に関する案内も送られます。当院では、特定健診に引き続き特定保健指導も受けることができます。ぜひ、特定健診の機会を活用して毎日の健康維持に役立てていただければと思います。